患者さんに急変が起こりそうな時は、どのように医者に報告したらいいですか??うまく報告ができるか不安です!
医師への報告方法は、慣れてくると上手く伝えることができるようになりますが、苦手な看護師さんは今回紹介する『SBAR』エスバーを使って報告しましょう!
今回は、そんな医師への報告が苦手な看護師さん向けに、解説していきたいと思います。
医師への報告方法については、YouTubeでも詳しく解説しています!
ナスメン君プロフィール
- ナスメンブログでは、看護学生、新人看護師から中堅看護師向けに役立つ情報をお届けします。
看護師経験は10年以上の男性ナースです。 - わたしが学んだこと、経験したこと、失敗した事を惜しみなく伝えていきます。
- 私のモットーは、看護師の仕事をもっと働きやすい世の中にしたい。楽しくみんなで仕事をしたい。そんな思いでブログやYouTubeを配信しています。
急変はおこってほしくないです。。。
急変はできる事なら、おこってほしくないですよね。
急変が起こりそうな患者さんにかかわる事はできるだけ避けたいと思っているかもしれませんが、看護師は急変の場面に出会う事は多いかと思いますので、うまく医師へ報告をしていく必要があります。
今回は、詳しく医師へ報告する方法を解説しますので、現場で活用していきましょう。
医師への報告とは!?
患者さんに状態悪化リスクが考えられる時は、看護師から医師に状況を報告しなければいけません。
どんな症状があって今何が問題となっているのか、急変しそうな判断材料を医師へ伝える必要があります。
病棟に担当する医者がいる場合はすぐに報告すれば対応も可能かもしれませんが、病棟に必ず担当の医者がいるとはかぎりません。病棟に医者がいない場合は、電話連絡で患者さんの状態などを伝えて緊急性がある事を伝えなければいけません。
医師へ報告するときの3つのポイント!
医師へ報告するときは、以下を注意して報告しましょう!
電話連絡をするときは、緊急性を簡潔に伝えよう!
医師へ報告するときはダラダラ報告するのはNGです。簡潔に伝えるべき内容を伝えましょう。
SBARで報告する状況としては、心肺停止まで至らないけれど、診察を急いで要請したい時に使います。心肺停止にいたりそうな時は、SBARで医師へ報告するのではなく、緊急コールやドクターコールをしましょう。
他の看護師にも状態悪化リスクがある事を伝えよう!
医師へSBARで報告しても、すぐにこれない場合があります。例えば、外来診療の時間、手術をしている時間、重要な病状を説明をしている時間等です。
その時は、医師も手をはなすことができないので、そのような可能性も考慮して、他の看護師も要請しましょう。
周りの看護師に助けを求めることで、あなただけでは対応できない事も一緒に協力してもらい対応する事ができます。病棟ではチームワークやマンパワーが非常に大切になります。
口頭で指示があった場合は必ず復唱確認しましょう!
医師から口頭で薬剤投与等の指示があった場合、必ずオウム返しするように、内容を確認しましょう!!
よくあるのは、口頭で指示を確認したはいいけれど、医師の指示と違っていた。という事が後から判明した場合は、患者さんにとって不利益になる可能性があります。
そういったことをできるだけ避けるためには口頭指示で医師からの指示を受ける事は避けたい。と思うところですが、急変場面ではそのような時間的猶予はあるわけではありません。その場合は、まずは院内ルールなどを確認しておきましょう。
医師への報告方法|『SBAR』と『ISBARC』の違いについて
SBARは、急変時に用いられるコミュニケーションツールの一つになります。
SBAR(エスバー)以外にも、急変時のコミュニケーションツールとしてISBARC(アイエスバーク)があります。
どちらも、同じ内容で使われますが、ISBARCのほうが新しいツールであり、IとCが追加になりました。(詳しくは後述します!)
内容は以下の通りです。英語の頭文字からきています。
SBARを理解しておけば問題ありません!!
エスバーとアイエスバークどちらも、同じ内容で使われますが、アイエスバークの方では、Identify(報告者、対象者の同定)、Confirm(口頭指示の復唱確認)の内容が盛り込まれています。
報告者というのは、報告をする看護師(あなた)の病棟や名前を名乗るという意味です。また、対象者については、患者さんの名前や病室などを伝えましょう。という内容です。
次に、Confirm(口頭指示の復唱確認)についてお伝えすると、先生が話していることを、オウム返しのように復唱する。という意味になります。指示の間違いなどを防ぐ意味で使われます。
Identify(報告者、対象者の同定):〇〇病棟のナスメン君です!〇〇の患者さん(患者名)の事で連絡しました。
Confirm(口頭指示の復唱確認):先生が話した内容をそのままオウム返しで確認する事をいいます!
個人的には、Identify(報告者、対象者の同定)、Confirm(口頭指示の復唱確認)については、医師へ電話連絡するときは、あたり前に行う事かな。と思います。。。。。
電話連絡をするときは、必ず自分の事を名乗るだろうし、伝える患者さんの事って必ず伝えますよね!???
なので、ISBARC(アイエスバーク)という長い名前で理解して覚えるよりも、SBAR(エスバー)の方が覚えやすいし、中身としては重要なので、SBARで解説します!
急変時のコミュニケーションツール『SBAR』について!
エスバーは、無駄なく簡潔に要領よく医師へ患者の状態などを伝えるときに非常に便利な報告方法の一つです!
医師への報告が苦手な看護師さんはぜひ理解しましょう。
・Sの意味は、Situation(スチュエ―ション)
・Bの意味は、Background(バックグラウンド)
・Aの意味は、assessment(アセスメント)
・Rの意味は、request(リクエスト)
英語の頭文字をとっていますが、意味で詳しくは次の所で説明するよ!!
SBARというのは、日本でも、救急(ER)看護師の間でも使われるコニュニケーション方法なので、覚えておくと便利だと思います!
この方法で、医師に伝える事で、要点を抑えて報告できるようになるかと思います!!!
SBARを使って医師へ報告する内容!
(※スマホの方は右にスクロールしてみてね!)
SBAR | 伝えるべき内容! |
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Situation(スチュエ―ション) | 患者さんに何が起こっているのか?を報告する!
・病棟名、患者さんの名前,病室。 |
Background(バックグラウンド) | どういった経緯で入院した?を報告する! ・診断名は?患者さんの入院してきた経緯は? ・バイタルサインは正常なの?異常なの? ・現在使用している薬剤や背景はどうなの? |
Assessment(アセスメント) | 自分の評価を報告する! ・自分はどう考えたか?を報告しましょう! |
Repuest(リクエスト) | Drにしてほしい要望を伝える! 経過観察でよいのか。診察をして欲しいのか。大至急診察してほしいのか |
病棟で急変が起こった場合は、なにげなくみんなは報告しているかと思います。
でも、報告された先生は、どういった緊迫した状況なのか?というのを電話ごしの内容だけで判断する事になります。
報告を受けた医者は、患者さんの状態を直接みているわけではないので、状況がよくわからないのです
報告した内容が緊迫していたら、すぐに先生はかけつけるでしょう。でも、報告内容で少し様子をみても大丈夫かな。って思ったら先生も少しあとから診察にくる。という事もあるかと思います。
でも、SBARで整理をして報告する事で医師へ『対応すべき緊急度』が簡潔に伝わるかと思います。
患者さんに起きている事!例えば、胸が苦しいとか、息が苦しい。とかの時にもSBARで整理をして報告する事ができると思います。(※部屋にいった時、患者さんが呼吸停止をおこしていた場合は、流暢な事はいっていられないのでエスバーで報告はせず、すぐにDrコールです)
緊急性が非常に高い場合は、SBARで医師へ報告するのではなく、ドクターコールをして院内のスタッフを要請する事が、先決です!
具体的に事例をつかって、エスバーで考えてみましょう。
SBARの使い方を事例を用いて解説!
事例:肺炎の患者さんが入院中SPO2低下しました!酸素送気を開始して5L流しているが改善しない。さぁどう対応しましょう!?
S(スチュエ―ション):
病棟の場所、患者さんの名前、起きている症状を端的に伝える!
B(バックグラウンド):
昨日入院した患者さんで、肺炎で抗生剤治療をしています。
会話も可能で意識は普段とかわりありません、血圧140/76。脈拍は120代で普段より頻脈です。酸素5L投与してSPO2:は90%程度です。夕食を食べたあとに呼吸苦を訴えました。痰の貯留はありません。
A(アセスメント):食後だったので、もしかしたら誤嚥をおこした可能性があるかもしれません。
R(リクエスト):呼吸状態が不安定だと思うので、診察をお願いできますか?
Dr:(状況がわかりました。)すぐに診察いきます!!
こういった流れになるでしょう。
まとめ
私は、常日頃からこういった事を意識して患者さんと関わるようにしています。
必ずしなければいけない。わけではありませんが、自分の頭の中で、整理して報告する事ができるようになると思います!!
ぜひ、報告方法が苦手な看護師さんには覚えておいて欲しい内容です!