患者さんに急変もしくは苦痛の症状がでていた場合、まずは看護師でも問診(情報収集)をするかと思います。
看護師が問診をする事で得られるメリットは4点ほどあるかなって思います。
- 訴えに対する対応方法を理解する事ができる。
- 問診方法を理解し実践することで、情報収集の漏れを少なくする。
- アセスメントの要因を考えたりするのに役立つ。
- 主治医に報告したり、緊急性を判断したり、重要度を判断する材料になる。
実際には、病院できめられている(指定された)問診票というものがあればそれに沿って問診して問題ないかと思います。
でも、急な場面で問診をとらなくなってしまった場合は、どのようにして問診をとっていけばいいでしょうか??用紙があれば、それにそって確認することもできるでしょうが。頭に入っているだけで、ずいぶんと効率よく問診する事はできるのではないでしょうか。
実際には問診の技法というものが2種類あるので、ご紹介します。
問診方法は2つあります
問診の技法その① (OPQRST)『オーピーキューアールエスティ』と呼びます
今出現している症状がいつから発症して、どの程度持続していて、どういった程度のものなのか、問診する技法です。
出現している症状に緊急性があるのか、それともちょっと様子をみても。大丈夫なのか。など判断材料になるかと思います。
英語の頭文字をとってOPRQSTといいます。おもに先生とかが問診で使う方法ですが、看護師も自然とやっている事が多いですがこの方法で考えていくと情報収集の漏れが少なくなると言われています。
O:ONSET 発症様式 | 痛みや苦痛がいつからはじまったのか? 症状が、いつから発症?少しづつ発症したの?突然発症したの?夜なの?朝なの? |
P:palliation 誘発する要因 | どういった要因でその症状が誘発する?(悪化傾向?改善傾向?) 体位や姿勢でその痛みは悪化する?症状は悪化している?よくなっている? |
Q:quality 痛みの性質 | 痛みの程度はどのくらいですか? 痛みを10段階で評価すると、どのくらいの痛みですか その痛みは、ズキズキする?ドクドクする?苦しい?重苦しい? |
R:regin/radiation 部位、放散 | 痛みの部位や、痛みは放散痛はある? どこが痛いのか?放散痛の有無 |
S:symptom
随伴症状 | 痛み以外に症状はあるの?例えば、頭痛、腹痛、眩暈、吐き気、寒気、倦怠感など |
T:time 時間の経過 | 時間経過はどうなのか? 日にち単位なのか、時間単位でよくなっているのか?悪くなっているのか? |
T:treatment 治療 | 薬は使用したかどうか?T痛みがあれば鎮痛剤は使ったのか?その効果はあったのか? |
看護師も自然とこういった問診スキルというものを業務で行っていると思うけど、こういうふうに、体系立てて問診する事で、情報の抜けが少なくなる。と言われているので、覚えておいて損はないね。
では、問診の技法その②説明します。
問診の技法②(SAMPLE history)
こちらも、問診の技法でSample Historyといいます。Drがよく活用する方法ですが、実際には看護師でも同じような事を聞いて問診をしている事もありますが、その人の全体を把握して迅速に、問診するための方法としてよいかと思います。
英語の頭文字をとって、サンプルヒストリーとよびましょう。
Symptom(シンプトム) | 主訴(患者さんの訴え) |
Allergy(アレルギー) | アレルギーの有無 |
Medication(メデュケ‐ション | 現在服薬している薬 |
Past history(パストヒストリー) | 既往歴、かかりつけ医院の有無 |
Last Meal(ラストミール) | 最終の飲食はいつか |
Event(イベント) | 受傷転機や状況
|
緊急時に問診をとるって結構大変だよね。
問診って何気なく行っている行為ですが、急変が起こっている場面では、効率的に情報収集していく必要があります。わたしももっている本ですが、結構シンプルに、わかりやすくのっている本なのでオススメです。
まとめ
病棟では普段あまり聞きなれない言葉ではないでしょうか。
それもそのはず。Drが主にこの問診技法をつかって患者さんから情報を収集しているから。一般的な参考書には記載されていないことが多いです。
でも、Drだけではなく、一般病棟看護師でも、活用できる方法なので覚えておくと便利ですよ。